死滅病棟

090-6423-5550
ギークハウス南町田在住
糸柳和法
殺せ、俺は殺す。

2009年10月25日日曜日

『仏陀再誕』を見に行ったら楽しいことになった

『仏陀再誕』を見に行くオフを企画して新宿のバルト 9 で見に行き、我々は素晴らしい体験を得た。

事前予約状況や見に行った人の感想などから、予約をしなくても充分に見られるだろうと思っていたが見通しが甘く、16:20 の上映はギリギリに映画館へ到着すると既に満席だった。仕方が無いのでバルト 9 の入ったビルの外に出て、次の 18:30 の上映を見るかどうかを全員に問うと、全員が見るという。その時点で 18:30 の上映は空席が充分にあり、企画者として安堵したのだが、そこに『仏陀再誕』の大きなプラカードを首から提げた人と何か冊子や葉書のようなものを持った人が通りかかる。俺はその方を見ながら小声で「信者の方だ」と言ったのだが、それに気付いた信者の方々がこちらに近付いてくる。「『仏陀再誕』という映画があるんですが、見られましたか?」

事前に幸福の科学の信者の方がチケットを配っているという話は聞いていた。「映画館の近くで『仏陀再誕』を見たいと呟いていればチケットを貰える」と俺に言う人もいた。果たしてそれは本当で、その信者の方々は「チケットを配っている」という。俺達がたった今『仏陀再誕』を見損ねたことを伝えると、その場にいた一四人全員にチケットとくれると言った。代表として何名かに支部のようなところへ来て欲しいと言うので、俺、四日市、テオリア、高野が付いて行った。

道すがら、俺は信者の方とあれこれ話をした。まず、仏陀は二五〇〇年前に「東の国で復活する」と宣言して没し、そして今、仏陀が再誕しているらしい。そして仏陀はキリストの父であり、キリスト教も仏陀の教えに影響を受けたものであるという。仏陀の再誕は仏弟子達のために慈悲の心で行うものであり、俺が何度も聴いていた『仏陀再誕』の主題歌である「悟りにチャレンジ!」の歌詞はその事実の一部を書いたものなのですね、というと信者の方は強く頷いた。唯物論が広まって最近の若い人は目に見えないものを信じない、と言うので、科学は本来、論理がありそれに基づいて現実を見るのではなく、現実がありそれを分析して理論を構築するものなので、実際にあることであれば、それを信じないのは科学としても間違いであると言うと、信者の方はまた強く頷いていた。

『仏陀再誕』は二度も三度も見ると味がある、というようなことも言っていた。支部にはいつでも遊びに来てね、友達を誘っても『仏陀再誕』を広めるために人数分のチケットなら何度でもあげるから、とのことだった。支部は日本各地にあり、ボランティアによる活動でチケットを配っているのだそうだ。

到着した支部は選挙期間中は幸福実現党の事務所のようなものとして使っていた場所らしい。そこで俺達は人数分のアンケート用紙のようなものを受け取った。チケットを受け取る全員に住所、氏名、電話番号、メールアドレスの記入をお願いしているのだった。皆が集まっている場所に戻り全員に個人情報を書かせると、人数分のチケットを受け取ることができた。当たり前だが皆が偽名や実在しない住所などを書いていた。俺だけが全てを正直に書いた。連絡が来たら面白いと思ったからだ。適当に話を合わせたり、ここまでは真面目にこのエントリを書いたりしたが面白全部でやっているに決まっている訳で、皆は信者の方々に隠れて「タダチケットマジかよ、すげーな幸福の科学」「いやー、タダで映画見られて非常にプレミアムな体験ですね」などと言って笑っていた。

映画の内容は悪の指導者「荒井東作」が自分に従う人間を増やそうとする一方、正義の指導者「空野太陽」が正しい教えを広めるというもので、悪霊だか何だかに取り憑かれた荒井が超能力のようなものを使って人心を掌握したり、謎の飛行物体を出現させて東京全土を攻撃し『インデペンデンス・デイ』のような状態にしたりするが、空野と主人公の「天河小夜子」が世界を正しく導いて荒井の企みを拒んでいく。

荒井は、日本全土を覆う巨大な津波が来る、私に従う者は救われる、と宣言する。しかし空野とそのメッセンジャーである天河小夜子は、津波は荒井が見せる幻覚であり、正しい心を持つことでそれを打ち破ることができると人々に伝える。人々はその力で正気を取り戻し、混乱した日本は安定を取り戻す。

『インデペンデンス・デイ』のようなシーンも明らかに天河が直撃を喰らっていたのに全くの無傷というシーンがあるのでこれも幻覚によるものだろう。天河も霊視ができるという幻覚症状の持ち主だが、最終的にはコントロールが可能になる。幻覚を克服したということだ。

ここで四日市はひらめいた。荒井の幻覚の力は統合失調症によるものであり、統合失調症は近しい人間に伝播する。テレビなどのメディアを通じて登場する荒井はそのあまりに強い統合失調症の症状のため、日本全土に統合失調症を伝播させて幻覚を見せていたのだ! オフの参加者は嘆息と共に納得した。閉鎖病棟に入院していた俺は病院仲間が次々と宗教にはまって人生が安定するのを見てきた。宗教は精神の安定に大きく寄与する。宗教家とそのメッセンジャーである空野と天河は宗教による精神修養により統合失調症を克服し、更に他者へ呼びかけることでその幻覚症状を治療していたのだ。空野は明らかに超常的な力を使って翼を出したり光の剣で攻撃をしたりと民衆を守っていたがあれはアニメ的な演出であり、実際には荒井と説伏合戦でもしていたのだろう。

これで全ては明らかになった。『仏陀再誕』は統合失調症とその宗教による治療の物語であり、この特殊な物語を広めるために幸福の科学の方々が必死になってチケットを配りまわっている。我々は笑いながら楽しむことができた。みんなも幸福の科学からチケットを貰って『仏陀再誕』を見に行こう。

仏陀再誕―縁生の弟子たちへのメッセージ

2009年10月7日水曜日

社内で喧嘩しないでください

社内の IRC に大量の bot がいる。社員が暇潰しに bot を作っては社内各所に存在するサーバーに放り込んでそのままにしてしまう。俺は社内のあらゆるチャンネルに可能な限り入って全てを監視するという暇潰しをしているが、社内の IRC は nick をハンドルにするという規約になっているため一見しただけでは人間と bot の区別が付かず、最早どこにどんな bot がいるのか把握し切れずにいる。そんな中、俺は部署の異動があって第五開発セクションというところに配属されたのだが、このセクションは「#dev5」だの「#裏5セク」だの「#rookies5」だの「#dev4.5」だのと IRC 上に多数のチャンネルを作り、そこに bot を置きまくる全くの異常セクションであり、俺は状況の把握に四苦八苦していた。その中で最も意味のわからない存在が「omegahama」だった。

第五開発セクションにはおめが櫛ヶ浜という二人の遅刻魔がいて、この二人が朝のミーティングに遅刻する度に IRC では「遅刻をしたクズ二人が、出社もせずにこのような発言をしています」という趣旨の発言と共に Twitter のポスト内容が書き込まれていた。朝のミーティングとはいっても昼の一二時台に行われており、一般的な社会常識から考えれば来ない方が悪い。何度同じ指摘がなされても遅刻は繰り返され、終には Twitter の発言を自動的に抽出する bot がちゃぶの手によって開発された。omegahama の誕生である。

omegahama とは、IRC 上で「omegahama」と発言するとおめがと櫛ヶ浜の Twitter ポストを IRC に流すだけという誰も得をしない最悪の bot で、みんなで楽しく『ラブプラス』の話題に興じている最中、誰かが気紛れに「omegahama」と発言するだけで糞気分の悪いおっさん二人の発言が割り込んでくる。皆はそれを見てひどく不愉快になりラブプラス勢は独立を宣言、「#ラブプラス」という新しいチャンネルが作られ、毎日二〇人前後の人間が集まるようになった。人々は安息の地を得たが、しかし「#dev5」における omegahama の存在は放置されたままになっていた。

しまぴょんが所有するサーバーの上で omegahama は稼動していた。しまぴょんはこの会社の内定を取り内定者アルバイトとして SMILEVIDEO の開発に従事し、コミュニケーション能力の絶望的な低さを補って有り余るエンジニアとしての能力の高さのため、アルバイトでありながら自分専用のサーバーを提供され、入社後もそのサーバーを仕事や bot 遊びに使っていた。やがてこのサーバーは櫛ヶ浜とちゃぶにも利用されるようになり、主にちゃぶの bot 遊びの場として社内で広く知られるようになった。

omegahama の存在を疎んじていた櫛ヶ浜はある日、人の振り見て我が振り直せという意味で chapezoida3 というスクリプトを走らせてしまう。これはちゃぶ、Trapezoidhaneda3 の三名のポストを抽出して発言する bot で、櫛ヶ浜曰く「攻撃は最大の防御なり」とのことだった。

問題だったのはしまぴょん、櫛ヶ浜、ちゃぶの三名に sudo の権限が与えられていたことだった。ちゃぶは唐突に chapezoida3 のスクリプトを kill してしまう。「殺してみた」と発言するちゃぶに対し櫛ヶ浜は「fuck」と発言、ちゃぶは櫛ヶ浜が起動し直した chapezoida3 を再び殺し、「戦争」と宣言。櫛ヶ浜もそれに応じて omegahama のスクリプトを kill するが、それを知ったちゃぶは、スクリプトを改造し終了シグナルを受けてもそれを無視するようにした。しかし sudo kill -KILL すれば簡単に強制終了させられるためその対策も殆ど意味が無かった。

omegahama と chapezoida3 が落ちて暫くすると櫛ヶ浜のアカウントはログインしてもすぐにターミナルが落ちるようになってしまう。強制終了の類ではなく、ターミナルは正常終了しているようだった。ちゃぶが .bashrc と .zshrc の最初に exit を書いているためにログイン直後にログアウトしていたのが原因で、櫛ヶ浜はそれをしまぴょんの報告により知った。櫛ヶ浜はしまぴょんのターミナルから .bashrc と .zshrc を修復し、ちゃぶの sudo 権限を奪った。

櫛ヶ浜とちゃぶは隣り合った席にいる。omegahama に関する全ての活動は、お互いを全く見ないまま、無言で行われた。

電脳攻防戦は終わり、ちゃぶは次のように書いている。

あれが仕返しか 発端は貴様だろ屑が

どちらも偽りの正当性を主張可能

喧嘩しても自分が損するだけの相手 半年前まで僕がよく怒らせてた

向こうも子供っぽいので うまく接し方を決められない

櫛ヶ浜は入社してすぐの頃、「この会社は童貞臭が凄くて、いると安心する」と言っていた。成熟しない大人の集まる会社で人間が衝突し、関係が破綻する。我々の終焉は今そこにあり、そこから逃れる術は存在しない。

2009年9月24日木曜日

YAPC::Asia 2009 今更レポート

YAPC::Asia 2009 が終わってからずっと風邪を引いていたりネット乞食をやって DS とラブプラスを手に入れたりして忙しくてレポートを書くことができなかった。しかし会社のスポンサー枠で参加した以上はレポートを上げなければならない。面倒だが書くしかない。

技術的に全く接点の無いセッションも多く、もう殆ど覚えていないので印象に残っているセッションの簡単な感想だけ書いて終わりにする。

Yokohama.pm 出張版 - YAPC::Asia 前夜祭‎
仕事の会議で押していたので途中からしか見ることができず、既に kuzuha も acotie も amachang も発表が終わっていて残念だった。酒を呑んで最後の方は寝ていたので殆ど見ていない。Perl のソースコードを強制的にワンライナーに変換するという LT の発表が面白かった、終わり。
Naoya Ito - ‎Perl で圧縮‎
基本的な圧縮の話をしていた。特に目新しいところはない。昔 LZ 法もどきによる圧縮エンジンを自作していたことがあるので懐かしかった、終わり。
Cristina Nunes (‎mega‎) - ‎Booking.com & Perl‎
割と名前を聞くようになった Booking.com のセッション。古いシステムはどうしてもレガシーなものから離れられなくなってしまうので、そこを維持するためにちょっと苦労しているように思った、終わり。
Kazutake Hiramatsu - ‎OpenGL Programming with Perl‎
超簡単な OpenGL 入門というべき内容だった。Perl だからどう、という部分はほぼ無かったと言ってもいい。まあ Perl でマルチメディアレイヤーを触る人は殆どいないからしょうがない。SDL というマルチプラットフォームなマルチメディアライブラリの集まりにもう何年も続けて顔を出しているが、Perl の SDL バインディングを使っているという人には会ったことがない。Python や Ruby は結構いるのに。何故 Perl はあれほどウェブに偏った発展を遂げたのだろうか、終わり。
ma la (‎mala‎) - ‎Asynchronous Programming for (A)synchronous Communication‎
Perl 特有の話はよくわからなかったが、ウェブの非同期処理のためにコルーチンを使っているという話は面白かった。ちょっと前まではコルーチンなんて一部のリアルタイム処理のフレーム間の処理の分割を手軽に実現するためのものだとばかり思っていたので、ウェブに適用する事例はかなり新鮮に感じた。コンウェイもコルーチンの概念の発表当時はこんな使われ方をするなんて想像もしてなかっただろう。まあ当時はウェブも無かったしな、ウェブなんて毎回データを取り直すなんて超富豪なことやってるから 1963年当時に想像できなくても当然だが、終わり。
Dan Kogai - ‎Perl? Which Perl?‎
様々な Perl のバージョン間の差を目の前で見せるというプレゼンをやっていた。細かい話ばかりだったので知らないことばかりだったが面白かった。最初に Twitter で bot に Perl6 のスクリプトを投げておいて完全に忘れたまま終了してしまうというミスをしていたので質問として「最初の Twitter はどうなりましたか」と言っておいた。scriptter はちゃんと回答を返していた、終わり。
Naoya Ito - ‎はてなブックマークのシステムについて‎
はてなブックマークの開発情報は実際にどんどん肥大化するシステムをどのように処理していくかについての良い例になると思う。特に面白かったのは検索結果のスコアリングで、ヒューリスティックなスコアリングを行うために特定の URL にボーナスを与えるとのことだった。こういった開き直った実装は割と有効だが、邪道だとして排除されることが多い。しかしきちんとしたセンスを持って実装すれば充分に良く働く。自由な発想こそがシステムの寄り良い実装を生むのだと思う、終わり。
Yoshinori TAKESAKO (‎takesako‎) - ‎all your base32 are belong to us‎
タイトルからネタ臭が強いが、中身もかなりぶっ飛んでいた。これはもう実際に動作結果を書いてあるページを見るのが一番手っ取り早いだろう。プレゼンの内容はこの詳細の説明に大半を割いており、一体何が彼をこんな魔窟に駆り立てたのか本当に疑問だった、終わり。

一週間以上放置していた割には思ったより内容を覚えてるなあ。ちなみに YAPC::Asia 2009 では全てのセッションを録画していたようで、二日目のセッション終了後の撤収時間に lestrrat に名刺を渡して「ニコニコ動画にアップロードする準備はあるので、メールをくれれば対応します」と言っておいたのだが、いまだに連絡が無い。

2009年8月16日日曜日

幸せ亀裂計画と Hacker's Cafe の合同誌『破滅論 1st contact』通販のお知らせ

皆さん、コミックマーケットお疲れ様でした。幸せ亀裂計画と Hacker's Cafe の合同誌『破滅論 1st contact』は見事に 100 部全てが完売し、取り置きしてあったはずの分まで売ってしまうという大問題が発生するに至りました。

前から言っているようにとてもウェブでは書けないような度を越えた内容ばかりなので、皆さんも是非読みたいでしょう、しかし売り切れてしまい、当日に足を運んでくれた人もその多くが買えなかった、そこでなんと通販を開始します。本当に良かったですね。

http://spreadsheets.google.com/viewform?formkey=dG4tZmZfaHh3UHktN0FjUlY1aDRCekE6MA..

上のフォームに必要事項を書いて送ると色々あって同人誌が届くという仕組みです。インターネットのことはよくわかりませんが、本当に凄いことだと思います。これが次世代のスタイルなのですね。

2009年8月13日木曜日

コミックマーケット 76 注目のサークルはこれだ!

コミックマーケット開催まで残すところあと一日となった。お薦めのサークルと自分のサークルの紹介をしておこうと思う。

まずお薦めのサークル「一輪社」を紹介したい。一輪社は田中良平さんという方が一人でやっているサークルで、明らかに頭のねじが飛んでいるコピー本を毎回沢山出している。初めて見たのは確か去年の冬コミで、小池陸と頭のおかしいサークルを探そうと歩き回っている最中に発見した。いくつか作品を紹介しよう。

パンチで穴あけまくり

見ての通り少女画像をプリントアウトしたものの顔の辺りをパンチで穴だらけにし、残った穴開けのカスを顔の部分にこんもり乗せてコピーしたもの。一体どんな精神的不安定があればこのようなものを作る気になるのか全くわからない。

16 才の夏 ジェシーが狂った

これは『16 才の夏 ジェシーが狂った』という題のコピー本の表紙で、俺が持っている一輪社の本の中で唯一ちゃんとした物語になっているもの。表紙の字体からして危険だが、中はもっとおかしい。

あんなにやさしくてかわいいジェシーが狂ったのでお父さんとお母さんは死ぬほどかなしみました。あんまり苦しいので、お酒をのんだり、入信したりしました。(あまりごまかせませんでした。)

「狂っているのはお前だ」と言わんばかりの狂の字に驚くが、他のページも異常性にあふれており、最後まで飽きさせない。俺のお気に入りの一冊。

最後に一番頭がおかしい本を紹介する。

市民文集 遊ゆう 第 17 号

見ての通りただの市民文集なのだが、これを渡された時、「これ、お薦めなんで、読んでください」と言われた。意味がわからなかったが、どうやらどこかの公的施設で読める市民文集を勝手にコピーして配布しているようだ。中身も特に変わったところはない。何故こんな行為に及んだのか色々と考えてみたが、全く答えは出ない。おそろしい一冊である。

この他にもいくつかあるが、俺もコミケの準備に忙しく時間が無いのでこのぐらいにしておこう。ちなみに田中良平さんは、今時珍しく、奥付に自分の住所を書いている。昔の商業誌や同人誌の奥付には確かに作家自身の住所を書くことが多かったが、ここ一〇年でそんなことをやっている人は初めて見た。

田中良平さんの「一輪社」は 8 月 16 日日曜日 東地区 パ-12b に出ているので、どんどん同人誌を買って、奥付の住所に感想を送ろう。

さて、最後に俺のサークルの紹介をしようと思う。前にも書いた通りサークル名は「幸せ亀裂計画」で、8 月 15 日土曜日 東地区 P-54a に出る。ssig33(小池陸)による『花一揆』と俺の所属する Hacker's Cafe の『破滅論 1st contact』を頒布する。『破滅論』の内容は次の通り。

  • ニコニコ実況を支える技術(itkz 糸柳)
  • チームラボ破滅企画(tks)
  • 激突!!チームラボ猪子社長 vs 元ホームレス社長 - 徹底的な殺戮をする(doodoo_jap)
  • 完全な計算に基いた美(nishio)
  • ストリートコンピューティング(akio0911)

特に俺が担当した『ニコニコ実況を支える技術』は、ネットではとても書けないようなことをネットではとても書けないような書き方で書いているので、皆さん、ほォら、楽しみでしょう。どんどん買えばいいと思います。

当日は多分半分ぐらい、特に遅い時間は席に座っていると思うので、挨拶しに来たい人は是非どうぞ。

2009年7月8日水曜日

「気持ち悪い」のはその対象か、それともただの自分か

http://twitter.com/tsuda/status/2506465831

tsuda ネットで自分が感じた「違和感」を口にする人は多いけど、自分と向き合うなり、情報をさらに調べるなりして、その違和感の正体を真剣に探ろうとする人はあんまいないよね。そして違和感という単語だけが思考停止のマジックワードとして消費されていく。

http://twitter.com/kawango/status/2506822400

kawango @tsuda そー。違和感感じた。とか違和感が解決。とかいういいまわしで議論に参加した気になっているひとはよく見かける。

この「違和感」と同様のもので「気持ち悪い」という表現をよく目にするが、個人的には「気持ち悪い」の方が聞きなれているので本エントリではこちらを使うことにする。「気持ち悪い」という表現は疑問点の指摘などに使われるが、そもそも当人の心情を述べているだけで対象に関して何も語っておらず、議論の参加者の中でなにか暗黙の了解でも無い限りその発言は何の意味も持たない。

議論を前進させるためには問題を提起し、解決策を提示しなければならないが、それを全て省くと議論の元にある問題と本人の心情だけが残り「気持ち悪い」という言葉に変わる。つまり問題がどこにあるのかを突き詰めれば「気持ち悪い」場所もあきらかとなり、問題が見え、議論は前進する。

「気持ち悪い」と口にした時に存在し得る問題には二種類ある。ひとつは議論の対象に何か欠点がある場合だ。上司の発言が部下の活躍の可能性を潰してしまっているだとか、軽作業の手順に無駄があって時間を食っているだとか、そういったところがあれば「気持ち悪い」という言葉をその詳細な説明で置き換えればよい。

「気持ち悪い」が指し示す可能性のあるもうひとつの問題は、本人の心中に存在する偏見だ。たとえば生の魚を食べたことのない人間が寿司を見ればさぞかし「気持ち悪い」だろうが、これは単に無知からくる偏見で、寿司はきちんとした料理であり、そのことを理解すれば「気持ち悪い」心情は消える。

「気持ち悪い」という言葉は便利で何かの欠点を示す時に楽ではあるが、常に正しい問題を提示できるとは限らない。本人の偏見に基づいた「気持ち悪い」を正義の鉄槌のように振り回すのは周囲のよい迷惑であり、「気持ち悪い」と口にする自分が何を元にその発言を行っているか、よく考える必要がある。

2009年5月10日日曜日

彦龍でズァー麺を食ったら体調を崩した

日本一まずいと評判の彦龍がもうすぐ閉店してしまうということなので、人を集めて食いに行った。人数は丁度よく、一番遅れてきた a2c が一人立ったまま食べる羽目になったが何とか一度に食うことができた。

彦龍店外

参加者は身内として俺、id:send、宇津、唯石、四日市、a2c、そして「2chの珍しいものを食べるスレからきました」という id:oskimura、店で料理を待っている時にいきなり自転車でやってきて「これってオフ会のあれですよね」と言った名称不明の人間の八人で、注文は俺が「ズァー麺」、二人が普通の「ラーメン」、三人が「彦龍ラーメン」、一人が「ダウンタウンラーメン」だった。

「水だけの客からは20円もらうぜ」という発言情報があったので料理を食わずに見学だけを行うことも可能なのかと思ったが、
ご注文はお一人様最低一品お願い致します
現在では料理を食わずに見学だけすることは認められていないようだ。

数年前に何度も足を運んでいた小池陸からズァー麺が極めて危険であるという情報を得ていたのだが、何故かメニューに書かれておらず、「あの、ズァー麺ってありますか」と訊いて初めて店主の憲彦さんが「いいの? すっごくまずいよ」と言う。注文すると真っ先に作り始めた。

調理場は思ったよりも片付けられているというか殆どものを置いておらず、奥に冷蔵庫があり、中程には「エバラ 札幌ラーメンの素」と書かれた缶がいくつも転がっていて、麺を茹でるための巨大な中華鍋と、料理の上に乗せる具材を調理するための普通の中華鍋が並んでいた。

ズァー麺を食らう糸柳

ズァー麺との対峙である。調理の様子を見る限り、ラーメンの味付けの殆どは「札幌ラーメンの素」に依存しているようだった。つまりこの「ラーメンの素」がちゃんとしていればそれなりに食えたものになるはずなのだが、調理の最中に少しずつ何かを混ぜていて、それが悪いのか、まずスープが生臭い。付け合せの味付け卵は味が付いていないという事前情報を得ていたのだが、生臭い味がちゃんとついていて、噛む度にえずいてしまう。乗っている肉もどう調理すればこうなるのか下水の生臭さがあり、その上に濃い塩の味しかしない。憲彦さんに「これはわざとまずく作ってあるから、隣の人の普通のラーメンと味を比べてみてよ」と言われ、隣のスープを飲んだが、やはり生臭く、耐え難かった。

ラーメンごときに負けたくなかったので俺はズァー麺をスープまで全て飲み干した。その後、急激に体調が悪くなり、足元がおぼつかず、倒れそうになり、足首をくじいてしまった。

他の人間の意見を含めて総括する。

  • 料理が全面的に生臭い
  • 店の奥で鼠が全力の疾走をしていた
  • 具にかびが生えているのを発見した
  • スープを飲めない
  • 油と灰汁が凄かった
  • まともな人間が食うものではない
  • 吐き気をもよおす
  • 食べると体調を大きく崩す

店をもうすぐ閉めてしまう理由は、膝の軟骨が失われてしまい、足がまともに動かなくなりつつあるからなのだそうだ。年齢は既に還暦を越えており、体の自由が利かなくなるのも当然で、本人は本当ならば体が保つ限り続けたいと言っていた。

俺は一〇年程前、ゲームラボか何かでピョコタンが漫画で取り上げていたのを見て初めて彦龍を知ったのだが、ピョコタンと憲彦さんは家が近いこともあり頻繁に交流があるらしい。店では憲彦さんのことを本にした「彦龍のノリヒコさん」が売られており、その場で購入するとピョコタン描き下ろしのポストカードが付き、憲彦さんのサインももらえる。ピョコタンはこの描き下ろしポストカードの件で憲彦さんから一切の報酬を受けずにいるつもりだったのだが、結局憲彦さんが押して焼肉を奢ったらしい。倍以上の年齢差があるこの二人の間に、強い友情を感じる。

肥溜

ファックな人生、あなたの心

糸柳
人間を殺した。
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